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X線(エックス線)を出す技術・受け取る技術

X線(エックス線)を出す技術

一般的にX線(エックス線)を発生させるにはX線管と呼ばれる真空管が用いられます。
X線管内部には陽極,陰極と呼ばれる2つの電極があり、陽極表面にあるターゲットに高速で電子を衝突させるとターゲットからX線が発生します。
言い換えれば、X線を発生させるためには、電子を発生させ、これを高速で移動させる必要があるということです。
電子の発生源については、陰極に繋いだフィラメントがその役割を担います。フィラメントに数Vの電圧を与えることで、フィラメントを約2000℃まで加熱すると、そのエネルギーにより電子がフィラメントから飛び出します。これはエジソンが白熱電球の研究で発見した熱電子放出の現象です。
続いて、陰極側より発生した電子を高速で移動させるために陰極と陽極の間に数kVから数百kVの電位差を加えて加速させます。
フィラメントを加熱する「フィラメント電源」と電子を加速する「高圧電源」、X線発生に必要なこれら2 つの電源を制御することで、発生するX線の強度を制御することができます。
両極間にかける高圧電源の電圧(管電圧)を変えることでX線のエネルギーが変化し、フィラメント電源の電圧を調整することで、フィラメントから飛び出す電子量(管電流)が変化し、それに伴ってX 線の量が変化します。
つまり、管電圧・管電流をコントロールすることで、X線の透過像や分析結果を調整することができるということです。
これら2つの電源をX 線管とともにケースに封入したものをX線発生装置と呼びます。
しかし、数十kVの高圧電源を空気中で動作させるとすぐさま放電してしまい動作しなくなるため、一般的にケース内部は電気絶縁油で満たされているか、もしくは取り扱いの容易なエポキシ樹脂などでモールド処理されています。

X線(エックス線)を受け取る技術

X線(エックス線)を受け取る、つまりX線の検出には大きく2つの方式があります。
ひとつは積算型で、これはある期間に検出したX線の情報を全て溜めてから結果を見るもので、X線画像を撮影するフイルムやイメージングプレートがこれに該当します。
もうひとつは逐次型で、これはX線と物質との相互作用の結果出てくる電子や光を都度計測する方式で、ガイガーカウンターなどX線漏洩測定器に使用されます。

1.フイルム
写真と同じように、X線撮影においても古くはフイルム撮影を行ってきました。
X線の場合、特にX線と反応して光を出しやすい増感紙と呼ばれるシートを使ってフイルム撮影を行います。

2.イメージングプレート
イメージングプレートもフイルム同様にX線に対して反応する特殊ば物質を使って像を記録するものですが、
X線が当たった瞬間に像を作るのではなく、いったん記憶しておいて後から像を作ることに特徴があります。
X線反応後に特別なレーザー光を当てることによって蓄積したエネルギーを光として放出します。
その後はまた別の光を当てるとプレートの反応をリセットできるため、何度も繰り返し利用することができるのが利点です。
また、コンピュータ上にデジタルデータとして取込ができるため、画像処理や管理がしやすいというメリットもあります。

3.X線カウンター
逐次型のX線検出器としては、ヘリウムなどのガスが入った容器にX線が入射するとヘリウム原子と衝突した際に電子を放出する電離現象を用いるものがあります。
この電子の流れを電流として検出することでX線を検出するものです。
ヘリウムの代わりに半導体を使う場合もあります。
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